「避妊についてパートナーと話しにくい」「自分主導で妊娠を回避したい」と、ペッサリーの使用を検討していませんか。
ペッサリーは、男性に任せず女性自身で避妊できる一方で、確実な方法とはいえません。本記事では、女性が自分でできる避妊法について比較・紹介します。妊娠を希望する・しないといった選択権は自分で握り、コントロールしましょう。
ペッサリーには、避妊用のほかに骨盤臓器脱治療に使われる製品もあります。本記事を通して、すべての女性に発症リスクがある骨盤臓器脱の治療法もぜひ知ってください。
ペッサリーは、女性が自分で腟内に装着するバリア型避妊具です。やわらかいシリコンやラテックスでできたドーム状のカップに、少しかたいリングがついた形が一般的です。
性行為の前に子宮頸部にかぶせて使用し、精子の侵入を物理的に防ぎます。日本ではメジャーな方法ではありませんが、歴史のある避妊法の1つです。
ペッサリーを避妊に用いるメリットとデメリットを確認しましょう。
避妊にペッサリーを用いるメリットは、以下のとおりです。
ペッサリーは、腟内に挿入するだけなので、低用量ピルのように副作用や体調変化が生じる恐れがありません。産後の授乳期にも問題なく使用できます。
医療機関での処方が必要ですが、使用時は自宅で着脱可能です。新しいタイプのペッサリーは、1つのサイズで多くの女性に適合するようになっています。性交後は6~8時間は装着したままにしてから取り外し、破損していなければ洗って繰り返し使えます。
ペッサリーの使用を避妊法として検討している場合は、以下のデメリットも確認してください。
1年間ペッサリーで避妊した場合の妊娠率は、正確に使えたケースで約6%で、一般的な使用の仕方では約12%であり、やや高いといえます。性行為時にペッサリーがずれたときのために、殺精子剤を一緒に使うことが推奨されます。
ペッサリーに粘膜同士の接触を避ける効果はありません。男性が使うバリア型避妊具であるコンドームのように、性感染症予防の効果がないことは認識しておきましょう。
女性ができる避妊法には、ペッサリー以外にも以下の方法があります。
避妊を男性に任せたくない方に向けて、各方法の妊娠率・メリット・デメリットを詳しく解説します。
低用量ピルの服用は、女性ができる避妊法の1つです。2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲスチン)で排卵を抑え、頸管粘液を濃くして妊娠を防ぎます。
低用量ピルで1年間避妊した場合の妊娠率は、以下のとおりです。
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正確な使用
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約0.3%
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一般的な使用
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約9%
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低用量ピルは、医師に処方してもらい、1日1回忘れずに服用する必要があり、飲み忘れると効果が低下します。ホルモンに働きかけるので、吐き気や頭痛・不正出血などの副作用が起こることもあります。肥満・血栓症の方や35歳以上の喫煙者などは服用できません。
女性が自分で行える避妊法には、IUD・IUSの装着も挙げられます。IUD・IUSは子宮内に挿入して避妊効果を得るための器具で、以下のような特徴があります。
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IUD
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IUS
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医師による装着・除去が必要である点が共通点です。1度挿入すれば避妊効果が持続するものの、痛みや出血をともなうことがある点がデメリットです。
避妊用ゼリーの使用も、女性ができる妊娠の回避方法として挙げられます。精子の運動を阻害し、受精を妨げる化学物質を腟内に挿入する方法で、性交直前の使用が必要です。作用のある間(約1時間以内)に射精しなければ効果は低下してしまいます。
正確に使用しても妊娠率は約7%で、単独で使うには確実性が低いといえるでしょう。ペッサリーやコンドームと併用し、避妊確率を高めることをおすすめします。
ゼリーによる刺激で炎症が起こることがまれにあります。
女性ができる避妊法の選択肢の1つは、卵管を結紮する不妊手術です。全身麻酔でお腹を切開し、卵管を結紮・切離すると、卵子が子宮へ移動せず精子と出合わなくなります。
妊娠率は0.5%前後で低く、効果は半永久的に持続します。ただし、原則的に元に戻すことはできず、将来考えが変わった際にも妊娠が難しいため、十分な検討が必要です。
不妊手術には、女性だけではなく男性を対象とした方法もあります。パイプカットは精子の通り道である精管を結紮・切離する手術で、妊娠率は約0.15%です。局所麻酔・日帰りで実施できるケースもあり、女性が受ける手術よりも負担が軽いといえます。
日本では、「ペッサリー」というと、骨盤臓器脱治療用の製品を指すことが一般的です。避妊用のペッサリーとは構造も使用方法もまったく異なるので、1つの製品を両方の目的では使えません。
骨盤臓器脱治療に使うペッサリーは、腟内に挿入して下垂した臓器を支えます。日本ではリング型が一般的で、病院で処方してもらいます。
骨盤臓器脱という病気や、ペッサリーを治療に用いるメリット・デメリットについて確認しましょう。
骨盤臓器脱とは、骨盤内にある膀胱・子宮・直腸などが、本来の位置より下がり、腟口から出てしまう状態です。はじめは下腹部の重だるさ・下へ引っ張られている感じといった軽い症状でも、放置していると、常に臓器が腟から脱出するようになります。
尿漏れや排尿・排便困難、臓器が下着と擦れることによる出血、感染といった症状に悩む女性は決して少なくありません。
骨盤臓器脱は、骨盤の底を支える筋肉や靭帯のゆるみや損傷によって起こり、以下のような要因があると発症しやすくなります。
女性であれば誰でも発症する可能性のある病気だといえるでしょう。
ペッサリーで骨盤臓器脱を治療するメリットは、以下のとおりです。
ペッサリー療法は、根本的な治療ではありませんが、装着してすぐに効果が実感できるため、骨盤臓器脱の方に多く用いられます。特に、リスクが高く手術ができない高齢者の骨盤臓器脱においては、不快感を抑え、生活の質を維持するための有効な選択肢です。
骨盤臓器脱にペッサリーで対処する場合は、以下のようなデメリットもあります。
ペッサリーには、医師が挿入・交換するタイプと、病院で処方を受けて自分で着脱・洗浄する製品があります。タイプに関係なく定期的な受診が必要です。
腟内に異物を挿入するので、おりものの増加やにおい、出血が生じる場合もあります。はじめは順調に経過していても、装着が続くとトラブルが起こる場合も多く、長期間の使用には向きません。
ペッサリー療法以外に、以下のような方法・アイテムで骨盤臓器脱の治療が行われます。
治療法により、効果が出るまでの期間や身体的リスクが異なります。自身に合った方法を選ぶために、それぞれの詳細を確認しましょう。
骨盤底筋トレーニングは、骨盤臓器脱に対処するために自身で取り組める方法です。膀胱・子宮・直腸などを支える骨盤底筋を鍛えてゆるみを改善し、不快な症状の軽減を目指します。
トレーニングでは、リズミカルにキュッキュッと腟・肛門・尿道を締めたり、呼吸に合わせて収縮・弛緩を繰り返したりします。
リスクやコストは発生しませんが、効果が出るまでに数か月かかるうえ、症状が進行している場合には改善が乏しいことがデメリットです。
骨盤臓器脱によって日常生活に支障をきたしており、根本的に治療したい場合は、以下のような手術が選ばれます。
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術式
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詳細
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経腟メッシュ手術
(TVM手術)
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合成メッシュで骨盤底を補強する
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腟閉鎖術
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腟口を縫い合わせて臓器の脱出を防ぐ
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腹腔鏡下仙骨腟固定術
(LSC)
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ロボット支援下仙骨腟固定術
(RSC)
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ロボットを使って高い精度でLSCを行う
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手術は症状の改善効果が高い一方で、再発の可能性や出血・感染・臓器損傷のリスクが存在します。術式によっては術後の性交渉や子宮がん検診ができなくなるので、ライフステージに合わせた選択が重要です。
身体的リスクをともなわず、すぐに骨盤臓器脱の不快な症状を軽減したい方に向けた医療機器が、フェミクッションです。
臓器が体内におさまっている状態でクッションを腟口に当て、ホルダー・サポーターで押し上げて固定します。クッションが臓器を正しい位置で支えるため、装着後すぐに不快な症状の軽減を実感できるでしょう。
フェミクッションは、使用者に与えるリスクが低い「クラスⅠ」の医療機器に分類されています。炎症や感染のリスクは体内に入れるペッサリーと比べて非常に低く、長期的な使用も可能です。
クッション・ホルダー・サポーターは洗えるため、清潔に使えます。「手術を受ける決断はまだできないが、症状を何とかしたい」という場合の一時的な対処にも、フェミクッションは向いています。
骨盤臓器脱治療には、フェミクッションがおすすめです。
多様な種類のサポーターや使い捨てのホルダーなど、骨盤臓器脱に悩む女性のニーズに応えた商品展開が行われています。「初めての購入でどれを選べば良いかわからない」という場合は、スターターキットを利用すると良いでしょう。
スターターキットは、お腹まわりに合わせて3サイズからサポーターを選べます。骨盤臓器脱の治療に必要なアイテムがすべてそろっており、届いたらすぐに使用を開始できます。
リスクが低い骨盤臓器脱の治療法をお探しの方は、ぜひフェミクッションをお試しください。
銀座リプロ外科では年間800例を超える精索静脈瘤手術を行っております。中でも永尾光一医師はナガオメソッドにより20年以上、精索静脈瘤手術をしており、その手術数は10,000例程度となります。日本ではまだあまり知られていない診療が多いですが、より多くの患者様に気軽に相談していただければと思っております。
c 2019 Association of Microsurgery, Ginza Reproductive Surgery.