「もう年だから仕方がない」「受診は気が進まない」と子宮脱を放置していませんか。
高齢者による子宮脱の放置は危険です。腟からの子宮の脱出は、痛みや尿漏れの原因となるだけでなく、放置すると感染や歩行障害などを招き、生活の質を著しく下げる恐れがあります。
本記事では、子宮脱を放置するリスクとシニア世代も選べる治療法を紹介します。ぜひ症状の改善に役立て、趣味や旅行などを楽しむ充実した老後を送りましょう。
子宮脱は、腟から子宮が飛び出す病気であり、高齢者の発症リスクが高いことが特徴です。放置すると出てきた子宮が自然に元に戻らなくなり、出血や感染症を引き起こしかねません。
子宮脱について知っておきたい基礎知識は、次の3つです。
自分に当てはまる症状がないかチェックしましょう。
初期の子宮脱は、子宮の位置が通常より下がった「子宮下垂」と呼ばれる軽度の状態です。自覚症状が少なく放置しがちですが、進行すると以下のような症状が見られるようになります。
腟から何かが出てくる感覚は、くしゃみや咳のような腹圧がかかる動作をした際に表れる傾向があります。子宮脱を放置し続けると子宮が脱出した状態になり、下着に触れて炎症が起きたり、出血したりするでしょう。
子宮脱の原因は、以下のような要因により起こる骨盤底筋の衰えです。
骨盤の底の部分には、内臓を支え、排尿や排便をコントロールする骨盤底筋と呼ばれる筋肉群が存在します。骨盤底筋が何らかの原因で損傷したり緩んだりすると、子宮・膀胱・直腸などを支えきれなくなり、臓器が下垂して腟から出てきます。
出産は、子宮脱のリスクを高める大きな要因です。妊娠中の胎児の重みによる骨盤底への負荷や、出産時に赤ちゃんが腟を通る際に筋肉や靭帯に加わるダメージが、骨盤底筋の緩みを招きます。出産の経験回数が多い方は、子宮脱をより発症しやすい傾向があります。
高齢者に子宮脱が多い理由は、年齢を重ねるとともに、出産・肥満・便秘・咳などによる骨盤底筋へのダメージが蓄積されていくためです。
加齢により、体全体の筋肉量は減り、力も衰えていきます。骨盤底筋も例外ではなく、内臓を支えることが難しくなっていき、子宮脱の発症リスクが高まります。
出産時に子宮をサポートする筋肉や靭帯がダメージを受けていれば、加齢による骨盤底筋の弱まりが進行しやすくなるでしょう。
閉経を迎えた高齢者は、筋肉量の維持に関与する女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少するため、骨盤底筋が力を失いやすい状態でもあります。
加齢にともなう体の変化が高齢者の子宮脱リスクを高めています。
高齢者が子宮脱を放置するリスクは、以下の5つです。
健康を維持し、人生を楽しみ続けるために、子宮脱を放置した場合のリスクを知り、できる限り早く治療をはじめましょう。
高齢者が子宮脱を放置すると、膀胱や直腸が臓器に圧迫され、排尿・排便トラブルが悪化します。尿や便が出にくくなり、残尿感や便秘がひどくなります。
尿がスムーズに排出されなければ、残尿が膀胱炎を招いたり、腎臓に水がたまる水腎症になったりしかねません。
便が出にくいと力を入れて排便することが増え、子宮脱の悪化につながり、さらに排便困難になるという悪循環に陥ります。便秘は痔や肛門の痛みを引き起こす可能性があり、日常生活への支障や精神的なストレスを増加させます。
排尿・排便トラブルに悩まされないために、すみやかに子宮脱を治療しましょう。
高齢者による子宮脱の放置は、感染症のリスクを高めます。
子宮が体外に出ていると、下着との摩擦や外気との接触で乾燥・ただれ・出血などが生じ、感染が起こりやすくなります。下垂した子宮が膀胱や尿道を圧迫することで、残尿が増えれば、細菌が繁殖しやすくなり、尿路感染症につながるでしょう。
年齢を重ねるにつれて免疫力は低下していき、高齢者は感染症が重症化しやすいため、子宮脱に気がついたら早めに対処することが重要です。
高齢者が子宮脱を放置した場合は、歩行が困難になる可能性があります。
体から飛び出した子宮は、下着と擦れたり衣服に圧迫されたりし、腟周辺の違和感や疼痛が生じて歩くときに支障が出ます。腟周辺に痛みがあると歩くことを控えるようになり、加齢による関節の柔軟性の低下や筋肉量の減少などに拍車をかけかねません。
歩行がつらくなり、家族や友人との旅行やおでかけを避けるようになる前に、泌尿器科や婦人科の医師に相談しましょう。
生活の質の低下は、高齢者が子宮脱を放置することで生じる大きなリスクの1つです。
子宮脱の症状が進行すると起こる排尿・排便トラブルや歩行困難は、アクティブな生活を妨げる要因になります。外出や人と会うことを避けがちになれば、孤立感を覚えるようになったり、認知症リスクが高まったりするでしょう。
治療によって子宮脱に関する悩みを軽くし、外に出て体を動かす・人と会話するといった機会を減らさず、楽しめるようにすることが推奨されます。
高齢者が子宮脱を放置すれば、健康寿命が短くなる恐れがあります。
健康寿命とは、健康上の問題により日常生活が制限されず、介護や支援の介入なしに自分の力で生活が送れる期間のことです。
子宮脱が原因で起こる体の変化は、高齢者の活動量の低下を引き起こす可能性があります。高齢者の活動量が減ると、体力・筋力が低下し、転倒のしやすさにつながります。転んだ際に骨折し、寝たきりになれば、介護が必要になるでしょう。
健康寿命を延ばすためにも、子宮脱をはじめとする骨盤臓器脱は放置しないことが得策です。
高齢者も選択できる子宮脱の治療法として、以下の4つが挙げられます。
子宮脱は恥ずかしさから人に相談しにくく、年齢を重ねていると「年のせい」と放置しがちです。しかし、放っておくと重症化するリスクがあるため、自分に適した治療法を見つけましょう。
高齢者でも、以下のような手術による子宮脱治療を選択可能です。
自身の体の組織や、人工物であるメッシュを使用して骨盤底筋を補強したり、腟を閉じたりする方法が存在します。
体への負荷が少ない手術方法が増えているものの、年配の方では、持病や全身状態によってはハイリスクのケースもあります。合併症や再発の可能性もあるため、自身の希望を伝え、主治医としっかり相談することがおすすめです。
骨盤底筋体操は、子宮脱の症状改善や進行予防を目指す治療法の1つで、高齢者でも自宅で手軽に取り組めます。排尿を止めるイメージで、腟や肛門を締めたり緩めたりすることでトレーニングが可能です。
慣れるまでは、仰向けに寝て膝を立てた状態で行うと良いでしょう。慣れれば座ったり立ったりした姿勢でもできるようになり、日常生活のなかで継続してトレーニングすると効果的です。
ただし、子宮が腟から脱出しているままでは実施できない点に注意する必要があります。
高齢者も選べる子宮脱の治療法の1つが、ペッサリー療法です。
ペッサリーは腟内に挿入し、臓器が下垂しないようサポートする器具です。形状や大きさが複数あり、病院で自分に合った器具を選択します。医療機関で指導を受ければ、自身での着脱も可能です。
ペッサリーは体にやさしい素材で作られているものの異物なので、以下のようなリスクが存在します。
ペッサリーを使用する際は、病院での定期的な交換と異常がないかの確認が必要になります。
フェミクッションの使用は、高齢者におすすめできる子宮脱の治療法です。
フェミクッションとは、腟から脱出した臓器を体外から支える医療機器です。18年の経験・実績を誇る医療機器メーカーが、子宮脱を含むすべての骨盤臓器脱を治療するために開発しました。
フェミクッションの構成要素は、以下の3つです。
適切に穿くだけですぐに症状を軽くする効果が期待できます。腟内に異物を挿入する必要がないため、「ペッサリーは怖い」という方も気軽に取り入れられるでしょう。
子宮がすでに腟から脱出している方がフェミクッションを着用すれば、骨盤底筋体操を実施できるようになります。
ホルダーは少量の尿やおりものであれば吸収できるので、尿漏れが心配な方にも適します。下着のようなデザインで、周囲の目を気にせず装着できる点も魅力です。
高齢者の子宮脱治療にはフェミクッションがおすすめです。
フェミクッションは、世界の40か国で使用されている、臨床研究で効果が実証された医療機器で、インターネット上で購入可能です。体内に挿入せず、体外から臓器を支えるため、体への負担や感染のリスクを少なく抑えられます。
骨盤臓器脱の治療に必要となる商品がセットになったスターターキットも用意しており、「まずは試してみたい」という方にぴったりです。
子宮脱の症状が気になっている場合は放置せず、治療法の選択肢の1つとしてぜひフェミクッションをご検討ください。
銀座リプロ外科では年間800例を超える精索静脈瘤手術を行っております。中でも永尾光一医師はナガオメソッドにより20年以上、精索静脈瘤手術をしており、その手術数は10,000例程度となります。日本ではまだあまり知られていない診療が多いですが、より多くの患者様に気軽に相談していただければと思っております。
c 2019 Association of Microsurgery, Ginza Reproductive Surgery.